自転車レーンに法的拘束力は無い?

街中で自転車のマークが塗装された道路を見かけたり、『自転車専用』と書かれた看板を見かける機会が増えました。これらの道路に違いはあるのでしょうか。

自転車用の道路の種類

自転車ナビマーク(自転車ナビライン)

自転車ナビマーク(自転車ナビライン)は、自転車が通行すべき部分と進行すべき方向を明示するものです。
車道の左側端に設置されているのが「自転車ナビマーク」、交差点に設置されているのが「自転車ナビライン」です。

あくまでも"安全な通行を促す"もの

自転車ナビマーク(自転車ナビライン)は、自転車の安全な通行を促す目的で設置されている法定外の道路標示です。自転車や自動車の通行を規制するものではなく、法的拘束力もありません。

自転車専用通行帯

自転車専用通行帯は、自転車ナビマークと同様に車道左側に設けられています。青色塗装や白色区画線、「自転車ナビマーク」により自転車の走行場所と進行方向を示します。

法的拘束力があり、自転車以外が通行すると罰則の対象

自転車ナビマーク(自転車ナビライン)との決定的な違いは、法的拘束力がある点です。

自転車専用通行帯は、法律で定められた車両通行帯の一種です。原則として自転車以外の車両の通行は認められていません(歩行者を含む)
違反すると、反則金が6,000円、違反点数が1点となります。

自転車ナビ
自転車専用通行帯
定義
自転車の安全な通行を促すためのもの 自転車が通行しなければならない車両通行帯
法的拘束力
自転車以外が通行した際の罰則
逆走
※自治体がルールを独自に定めている場合もあります。併せてご確認ください。

見分け方

自転車専用通行帯には必ず標識がある

どちらも矢羽根マークや自転車のイラストなどがペイントされているため、一見同じに見えます。

しかし、自転車専用通行帯は路面のペイントに加えて「自転車のマーク+専用」が示された標識が立てられています。この2つのうちどちらか一つが欠けていると、自転車専用通行帯とは認められません

自転車専用通行帯の標識 「自転車専用通行帯」の標識
危険と感じたときは歩道を通行してよい

種別に限らず、自転車用の道路が設けられている場所では、原則として自転車はそこを通行するのが望ましいです。

ただし、車道通行があぶないと感じたときはこの限りではなく、歩道を通行することができます。

やむを得ず歩道を通行する際は、ゆっくり、車道側を通行し、周りの安全に配慮しましょう。

まだまだある!自転車用道路

自転車道

自転車専用通行帯と似たもので「自転車道」というものがあります。

双方とも法的拘束力のある自転車専用の道路ですが、自転車専用道は縁石や柵などで車道と区切られており、自転車のための車道というのがより明確になっています。

また、自転車専用通行帯とは罰則も異なります。より厳しく、反則金が7,000円、違反の点数は2点となっています。

自転車歩行者道

法的拘束力はありませんが、自転車および歩行者の通行のために設けられている道です。
なお、道路交通法上は、「自転車歩行者道という定義はなく、歩道として扱われる」とされています。

こちらも柵やタイルの色などで区切るなど、それぞれが独立して利用できるよう工夫されているものが多いです。

まとめ

  • 街中で見かける自転車用道路にはいくつか種類がある
  • 法的拘束力があるものは、違反すると罰則の対象になる
  • 危険だと感じた場合は、たとえ自転車用の道路が設けられている場所でも周囲に注意しながら歩道を通行することができる